物流ニッポン-2020/09/01 本社隣接地に倉庫 サービス付加価値高め

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【岡山】三原運送(熊谷久郎社長、岡山県笠岡市)は本社の隣接地に倉庫を新設し、保管、管理、配送を一貫して行う体制を整備した。新型コロナウィルス感染拡大の影響で荷動きは全般的に鈍いが、ボート、クルーザーといった特殊な荷物の輸送は好調。サービスの付加価値を高めることでコロナ不況を乗り越えていく構えだ。

 倉庫は5月に完成。敷地面積が106平方メートル、床面積は492平方メートルの平屋建てで、建設費や土地造成費を含めた総工費は3500万円。フォークリフト2台(5トン、2トン)を配備し、山陽自動車道の笠岡インターチェンジから車で7、8分の好立地だ。

 中国、韓国に輸出する機械・設備の一時保管のほか、中国から山口県の下関港に輸入される荷物の中継拠点として活用。輸入貨物はトラックによる引取りから木箱外し、エンドユーザーへの配達まで請け負う。倉庫完成後、新型コロナの影響でしばらく輸出入が停滞していたが、8月下旬から本稼働した。

 三原運送は1959年5月に創業、78年6月の設立で、現在の保有車両は21台。これまで他種多様な荷物の輸送を手掛けてきたが、倉庫を持つのは初めて。熊谷社長は「倉庫は、1棟丸貸しの話もあり、ニーズが根強い。今後も需要があれば増設を検討したい」と話す。

 新型コロナによる経営環境悪化は同社も例外ではない。しかし、看板商品の一つであるボート、クルーザーの輸送は例年、夏場に荷動きが鈍るが、6~8月は輸送依頼が相次いだ。熊谷氏は「3密(密閉、密集、密接)を避けることができる海洋レジャーが注目され、売買が活発になったのではないか」とみている。

 また、修学旅行生や外国人旅行者の荷物輸送は競争激化から2年前に撤退して影響を免れており、「自動車部品の荷動きも落ちていない」という。

 新倉庫で扱う荷物は次世代通信環境に関連した特殊な荷物で、今後も時代によって変化する荷主のニーズに的確に対応していく。 (江藤和博)

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